INTERVIEW

制作における 5 POINTS

まず、ひとつの企画のために、いつもアイデア出しからスタートします。
その中には、どうでもいいこともたくさんで、どうでもいいことの中に良いアイデアがまぎれている事もあります。
机の上でひとしきり考えたあとは、散歩しながら考えを巡らせたり、外出時の電車などでアイデアをノートに残していきます。
今回はシェルチェアに座ってみながら考えてみたり。
ここで、おおよその形が見えてきました。
描くアイデアがまとまりつつの状態で、ストーリーを付け加える事もあります。
今回は人のモチーフが決まりつつあったので、それがどのように椅子に収まっていくかをイメージするためのコマ漫画ラフを描きました。
これで形に加え、このモチーフの実体をつかむ事ができました。
あとは、完成に近いラフを描きます。
大きく拡大したものをいくつか用意して、シェルチェアに貼り付けてみて、様子を検証しました。
シェルチェアのカーブに手足がかかる位のバランスをここで見つけることができました。
最後にラフを元にペイントしていきました。
線の幅や流れに注意をはらいながらの作業です。

ハーマンミラーからの質問

イラストレーターとして活動されるようになった経緯を教えてください。

小さい頃から絵を描くのが好きでした。とはいえ、描く事よりも母親や友だちに褒められる事が原動力になっていたと思います。そんな機会が、ほかの仕事で見つけられなかったので、絵を描く仕事が残っていったような気がします。

今回は「Better World」というテーマで制作を行っていただきました。
どのような思いを込めて、制作をされましたか?

アイデアを考えていく中で、実際に座ってみることにしました。座って、体を揺らしながら、ぼーっとすること、数分。座面のフィット感と前後の揺れが気持ち良くて、頭上を紙がゆらゆら揺れるようなイメージがぼんやりと出てきました。その時に、この感覚を表したいと思いました。

作り終えてみて、仕上がりはどのように感じていらっしゃいますか?

紙は結局、人のモチーフに変わって、イメージの膨らむ楽しい作品になったと思っています。

今回のコラボレーションを通して、ハーマンミラーについて感じたことはありますか?

座り心地の良さにくわえ、こんな綺麗なフォルムのものに何を描けば良いのだろうと思いました。
普段使いしたいなら、そのまま使えば良いから、間違っていても楽しい方向の提案をするのが良いという思いに至りました。

イラストレーターとして今後どのようなことにチャレンジしていきたいですか?

最近、イラストレーションは主に絵を使って、暗がりにあるものに光をあてるような仕事だと思い始めました。暗がりには、クライアントの思いや受け手の見たかったものがあるような気がしています。そういうものを、形にしていける仕事をひとつずつ納得しながら、やっていければ楽しいですね。